※本インタビューは、ご協力いただきました方の教育への思いなどを出来る限りそのままお伝えするため、インタビュー内容は基本的に当日の会話そのままを掲載しております。またインタビューの質問は、事前に教材会社へは伝えておらず、本番一発勝負で行いました。是非、教材を作る側の生の声をお楽しみください。 通信教材会社インタビュー第一回 Z会 大学受験事業本部 教材管理部 部長 高橋さん
教育全般について伺います。
−−まず、ゆとり教育についてどのようなお考えをお持ちですか?
「そうですね、やっぱり小学校での反復練習ですね。これが決定的に足りないと思います。小学生というのは色々考えるのも大事だとは思いますが、一方でですね、理屈じゃなく習慣として計算とかですね、読解、まあ読み書きそろばんとかって昔は言われていましたけど、読み書き計算という部分はもう理屈なしにトレーニングしないとだめなんだすよ。ところがそういう部分も(ゆとり教育では)抜けてしまっているというところはあります。これが本当に基礎中の基礎ですので、それがないのに中学、高校と行ってしまって、よく解らないという子がすごく多いと思います。」
−−土曜日が休みになり、授業時間数は減り、小学1、2年生は理科、社会という教科が「生活」という教科に統合されてしまいました。これらを不安に思う親御さんが、塾へ通わせる流れが目につきますが、どう思われますか?
「算数なんかで言いますと、公文式なんかは結構行っていますよね。あれはあれで良いと思うんですよ。ある程度までやっちゃうと結構きつくなってくるので、嫌だって子も小学校中学年くらいから増えてくるんですけどね。ひたすら計算問題を解くという感じで、単調だからなんですけどね。でも一つの手段ではありますよね。本当は計算とか文章を読むなんていうのは色々工夫しながら飽きないようにしてあげれば良いんですけど、なかなか世の中にそういうものはないですね。Z会では割とそういうところをね、飽きないように、量はそんなに多くないけど、きっちり基本の計算とか読解とかはできるように作っているんですけど、公立の小学校ではなかなかそんな風に勉強できないし、公文とかではなく、普通の塾などでもそんなにはやってないですね。だから子供はもっと基礎をしっかりやらなければいけない時間を何となくフラフラしているとかですね、そういう感じになっちゃってると思います。」
−−時代、政策など色々あるが、いわゆる今の子と一昔前の子とにそもそもの違いを何か感じますか?
「小学生で言いますと、我慢とか粘りというのは圧倒的に足りなくなっているんじゃないかとは言われてますね。幼稚園の先生が言っています。いつの時代にも言われてはいますが、更に拍車がかかっているという感じですね。結局便利な世の中がまたどんどん便利になってですね、それでまた強制されるということが少なくなってきてしまっているというところですね。便利な機械や科学的な話とは別に、便利なサービスっていうことがありますね。サービスがすごく便利になっていて、『やってあげます』とういことがどんどん拡がっている。前だったら、昔だったら多少は自分で考え、判断してやらなきゃいけなかったところが、今はもう全部セットされてしまっている。これは、ここ5年10年でまたどんどん拍車がかかってきていますよね。だから親も子も自分で考えて行動するって機会が失われているっていうのはありますね。
我慢しようってケースも減っていると思います。我慢って言うのも、かつてはですね、みんなやっているからやらなきゃいけないものなんだっていうところがあったんですけど、今は個性だとか、そういう部分があって、”個性とわがままの履き違い”みたいなところがやっぱりありますよね。だから好き勝手やっていい、という感じにどうもなっていますね。」 −−ゲームが流行っています。周りの子はみんな持っていると仲間はずれにされたり難しい問題が出てきます。どうしたら良いのでしょうか?
「それはもう、親と子の攻防です。戦いですよ。子供は必ずこう言ってくる。『クラスで○○ゲーム持ってないのは△△君と僕だけ。』と。『別にいいじゃん。うちはうちだから。』って言えば良いケースもあるし、まあしかし、だんだん学年が進んでいったりすると、付き合いみたいなものもありますしね、子供同士のね、いじめに繋がるなんてケースもあるし、このあたりは難しいんですよね。自分が持っていないと、放課後、友達の家に入り浸って暗くなるまでゲームをするという子もいますしね。そうなってくると、さすがに親もどうしようかなって思ったりもするんですけどね。そこで、よく子供と話をするとか、あとは与えるにしても条件をしっかり決めるとかね、一日一時間までとか、勉強した後とか。こういう制限を設けて、しっかりルール決めをしてやっていくようにするんですね。DSなんかにしても全てが悪いわけではないですしね。ただ長くだらだらやってしまうといけませんよね。」
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