話題のあの人に! 直撃インタビュー第二回 『お受験の星』作者 今谷 鉄柱さん
第2回目のインタビューは『お受験の星』の作者、今谷鉄柱さんにお話をお聞きしました。
今谷 鉄柱
神戸で生まれ、宮崎にてのんびりと育つ。25歳、ビッグコミックスピリッツ賞でデビュー。
主な著作『コミック ユダヤ人大富豪の教え』(原作:本田健/大和書房刊)、 『県庁の星』(原作:桂望実/小学館刊)。 現在、ビッグコミックスペリオール誌にて『お受験の星』連載中。 浜本 邦夫
1974年、大阪府生まれ。1997年、小学館入社。現在、ビッグコミックスペリオール誌にて、編集担当。
寺西 隆行
(株)Z会 Webマーケティングリーダー
小学生から大学生・若手社会人の教育に携わる(株)Z会にて、Webマーケティングのリーダーを担当。 −−今谷さんが子供の頃に受けた教育で、これは役に立ったとか、印象的だったというような、今のご自身があるのはこのおかげだと思える経験はございますか?
今谷 「僕は、勉強に関しては塾とか行ってなかったんですけど、スイミング倶楽部に通っていたんですよね。そこで、2つ相反するというか、嫌なことでも、我慢して続けることの良い面と悪い面がずーっと身体に染みこんでて、何でもある程度我慢強く続けられるというのはあります。それともう一点、逆にそれが出ると、嫌々でも頑張っていればなんかそれでOKみたいにしてるというか、楽しんでやろうとしないで、我慢してやってるほうが真面目にちゃんとやってるみたいな気になる。だから、漫画描くとかでも、もっと楽しんで描けばいいのに、必死でやんないと仕事した気がしないとか。そういうふうに我慢してやるのはマイナスかな?と、最近は思っているんですけどね。」
−−じゃあ、最近は結構リラックスした感じで描いてらっしゃいますか?
今谷 「リラックスして描きたいなと思っているんですけどね。」
−−結構水泳は長くしていたんですか?
今谷 「そうですね、小学校・中学校・高校、ずっとやってましたね。」
浜本: インストラクター持ってますよね。
−−すごいですね。
今谷 「県記録持ってますよ。レベルが低かったんですけどね。長距離の1500。一度始めたことは続けなさいってずっと言われてたんですが、めんどくせーなーって思ってて。水泳はずっと嫌いだったんですけど、お金貯めるのにアルバイトで水泳のコーチをやってて、子供に水泳を教えることは楽しかったですね。教える時になって初めて、水泳っておもしれーなーと思って。」
−−水泳を嫌々続けていたというふうに、振り返ってみたときそう感じていたものが、教える側に立ったとたんに、水泳を教えるのが楽しかったということですよね。やっぱり見る角度によって全然違うんですね。
寺西: 大学受験なんかで、国語の問題を解こうとするとみんな解けないんですよね。大学生くらいになってから普通にここの文章読むと、なんでわからなかったのかと感じる。たぶんセンター試験の国語も全く同じレベルで、全然勉強していない大学生と、勉強している高校生がやると大学生が勝ちますよ。国語だけは。点取ろうとして考えるからダメなんですよ。考えちゃいけないんですよ。余計なことを考えないで、普通に人間としてどう思うかってやれば結構点を取れるんですよ。政経なんかもそうですね。倫理なんかも人としての正しさですからね。普通に考えれば点を取れる。変に考えて、余計なことを心理学的に考えてこれは教科書でこう書いてあった、いや、待てよ、こう説明あったからって考えるから間違っちゃう。
−−今谷さんが、学校の教科書を全部マンガで書くとしたら、どの教科書を書きますか?またその理由をお聞かせください。また、マンガを通じてどんなことを伝えたいですか?
今谷
「一般的にいったら歴史ですよね。キャラクターで顔のイメージ付くだけでも、全然覚えやすいじゃないですか。織田信長こんな顔だったとか、はじっこにいる人なんかの顔もイメージにちゃんと残せれば、こういうことやってとか、人間関係の相関図なんかもイメージしやすいじゃないですか。一緒にいるところを思い出したりだとか。」
浜本: 国語なんかもおもしろそうですよね。キャラクター書いたり、いろんなマンガが書ける。
寺西: 今度、高校数学の数2Bでマンガ教科書出ますよ。来年からの流通なんですけど、啓林館から出ます。ただ、180ページ中、70ページがマンガなんですけれど、その70ページが検定でいろいろ引っかかって、26ページくらいに収まっちゃったんです。検定意見を見るとみなさん絶句すると思いますよ。漫画家心理からするとすごいと思いますよ。吹き出しがいかに文科省っていうか、役人かっていうのが露骨に出ちゃってます。要は、教科書にマンガを持ってくるっていうのは、興味がない人をいかに引き上げるかじゃないですか。キャラクターが4人くらい出てきて、その中に食いしん坊の人で「なんでこんな勉強するの〜?」みたいなキャラクターがいるんですよ。そしたら、役人の方は「意味がわからない」のオンパレードで、食いしん坊の吹き出しにアルキメデスの画像に対して「何この人?」と言っている部分が「この指数ってどういう風に計算するのかな?」って、全部興味を持った吹き出しに変わってるんですよ。
浜本: それが意味がわからない。
寺西: そうなんですよ。その検定の意見見て、それが意味わからない。
浜本: 認めたくないんですよ。結局は。
浜本: どんどんマンガを使ってもらうと、マンガ編集者としてはいいですけどね。
今谷 「今検定してとすると、出版は何年か後ですよね。」
寺西: 今、検定公開された時期なんで来年から出ます。
浜本: かなり前に作っとくんですよね。
寺西: 3年くらい前から順番に作りますね。また、マンガ家さんのいろいろな権利ってあるじゃないですか。変えるとしたら吹き出しを変えるしかないんですよね。同じ絵で変えるしかない。もう変わり方がおもしろいおもしろい。
浜本: 興味を持たせようとしているものが持てないものに変わっていく。
※本インタビューは、ご協力いただきました方の教育への思いなどを出来る限りそのままお伝えするため、インタビュー内容は基本的に当日の会話そのままを掲載しております。またインタビューの質問は、事前にご本人へは伝えておらず、本番一発勝負で行いました。是非、生の声をお楽しみください。 |
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